よかったら詩、読んでくれたら嬉しいです。

詩を書いて生きていたい。 文章はたくさん書くと上手くなると聞きました。詩も同じなのでしょうか?

ここはボクがいないはずの場所 [詩]

『ここはボクがいないはずの場所』 これは、たぶん、いいものだ。 これは、たぶん、いいものだ。 あとでじっくり味わおう。 あとでじっくり味わおう。 そう言って食べなかった菓子 そう言って読まなかった本 そう言って進まなかった夢 期限が切れました。 ゴ…

悲しみと真珠 [詩]

『悲しみと真珠』 ある夜、だれかが悲しみを捨てました。 抱えきれなくなった悲しみを海に解き放ちました。 それは海とは混ざることなく 雪のようにゆっくりと沈んでゆき、 海の底で貝に宿りました。 人の悲しみを宿した貝が真珠を持つことができるのです。 …

春の雲 [詩]

『春の雲』 消せなかった思い出が今日も空に浮かんでいます。 だれか、私のやさしくない部分を愛してください。 やさしいところは私が愛せるので、 私の愛せない部分を愛してください。 やわらかな春の風のような潤いを どうかわたしに与えてください。 けれ…

おまもり [詩]

『おまもり』 わたしがあなたを守りましょう。 怖いものから守りましょう。 弱い自分から守りましょう。 はじめの一歩を踏み出せるように、 背中にそっと手を添えましょう。 大丈夫。 これまでの道のりだって、 わたしは手を添えただけ、 ここまで来たのはあ…

今宵 [詩]

『今宵』 「月が綺麗ですね。」 そう聞こえたはずなのに、 私のことなんて誰も見ていない。 あ、ほら。また。 ささやかだけれど、 声に出すほどの確かな感嘆は、 私のものにはならないらしい。 照らした先にはいくつかの 微笑み合う2つの命。 暖かな空気が少…

憧憬の先へ [詩]

『憧憬の先へ』 あの子は行った 私が憧れていた地へ 知らなかった あの子も憧れていたなんて いや、ただの付き合いかも。 聞けない ただ聞いてみればいいのに聞けない 羨ましいが邪魔をする 落ち着け、私。 欲しても手にできない私と 欲することなく手にする…

ソウイウコト [詩]

『ソウイウコト』 これは悲しみです。 悲しみの中でもとても純度の高いものです。 さて、どうしましょうか。 泣きたいですか? 泣きたくありませんか、大丈夫です。 涙とは目からこぼれ落ちる水。 こぼれ落ちるまでは涙とは言いません。 まだ泣いていません…

二日目の月 [詩]

『二日目の月』 新月が明けた 細い 細い 三日月をみて 殺せるな、と思った 虚ろに照らされた道で 立ち尽くす僕に 愛をささやく人は ついに現れなかった それでも月の光は いつもと変わらない優しさを たっぷりと浴びさせる はじまるよ、と誰かが言って ひん…

雨間の花嫁 [詩]

『雨間の花嫁』 雨が続く連休に、 わずかに恵まれた快晴。 天からも祝われているようで、 これからが晴れやかだと、 告げられているようで嬉しい。 今日、今この瞬間から、 病める時も健やかなる時も、 共に乗り越えるのだという、 先人からの教え。 私たち…

浸る [詩]

『浸る』 逃げだと言われれば、逃げです。哀しくなったら僕は静かに目を瞑ります。そうすることに何の感情も抱きません、自然なのです。そよ風に額を撫でられながら、暗闇の中に閉じこもり自分は生きていないことにするのです。正しくはないです、楽しくもな…

finale. [詩]

『finale.』 太陽の光を浴び わたしは色付き 地面には影が落ちた ついに果てを迎えた 一億四千万年の旅 その終着点にわたしがいて わたしの表面で光らは爆ぜた 今日、わたしは、 彼らに相応しくあれただろうか

繰り返しもいいけれど

『繰り返しもいいけれど』 かんがえて かんがえて かんがえて 今日がきた。 考えてばかりいる間に、 陽は何度も暮れた。 かんがえて かんがえて かんがえて 30過ぎそう。 考えてばかりいて、 他には何をしたのだろう。 わからない わからない わからない そ…

夜はあれから

『夜はあれから』 夜は 夜はあれから またわたしを刺そうと 虎視眈々と狙っている 暗闇の中で闘志を燃やし その熱で光らせた目が 燈のように揺らめき こちらに向かって手を伸ばす わたしとの狭間に取り残された黒が 1ミリまた1ミリと削られてゆき ついにこの…

空はいつでも

『空はいつでも』 ほんのりと暖かな色の夜明けです。 どこまでも遠くへ行けそうなほど晴れています。 雲の向こうはどんな景色が広がっているのでしょう、 わくわくしてしまう曇りです。 人の疲れを、哀しみを、洗い流すような雨が降りました。 太陽が己の赤…

“善”か“悪”か

『“善”か“悪”か』 「優しいね」と言われると わたしの中で切り離された 優しくないわたしが悲鳴をあげた 「かわいいね」と言われると わたしの中で切り離された かわいくないわたしが虚空を見つめた 「善い子だね」と言われると わたしの中で切り離された い…

清々しい

『清々しい』 よく晴れた朝に小鳥がさえずることを 人は“清々しい”と言う よく晴れた朝に小鳥がさえずろうとも “清々しい”と思わないことを 人はきっと“忙しい”と言う いつもいい気分でいたいけど そうできないこともあるよね それでも小鳥は鳴いて それでも…

雨を知らない月

『雨を知らない月』 ぼくたちで見上げた空に 浮かぶ月と 流れる雲と 夜風に乗って冷めた温度が 眠たいぼくと眠れない君をとり囲む 雨が降ると悲しくなるから いつも笑っていてほしい なんて 雨を知らない月に どうしたら伝わるのだろう 同じ風ばかりの単調な…

わたしの細胞

『わたしの細胞』 お母さんとお父さんが 大事に育てたわたし おじいちゃんとおばあちゃんの 大切な愛おしいわたし ひいおばちゃんと ひいひいおじいちゃんと ひいひいひいおばあちゃんと ずっとずっと昔から大切にされてきた誰かの そのまた大切にされてきた…

とある物語りのはじまり

『とある物語りのはじまり』 やさしい太陽と、 やさしい音と、 やさしいごはんと、 やさしい水と、 やさしい道と、 やさしい風と、 やさしい緑と、 やさしい地球と、 やさしい海と、 やさしい空気と、 やさしい言葉と、 やさしい誰かと、 やさしいあなたと。

じゃあね

『じゃあね』 差し出された愛は当然。 差し出す愛も当然。 愛されたければ愛さねばならならい。 愛されれば愛さねばならない。 こんなに色々してあげた。 だから、次は君の番だ。 これまでこんなに愛してあげた。 だから、次は君の番だ。 愛したのだから愛さ…

イト

『イト』 太陽が沈むと電気をつけるみたいに 寂しくなったときには 赤い糸に頼りたくなる けれどこの糸を手繰り寄せても その先端にはだれもいない 「まだいない」なのか 「もういない」なのか とにかく「今はいない」 寂しさに覆われる度に 運命に出会おう…

あなたは私がきらいですか?

『あなたは私がきらいですか?』 私はあなたがきらいです。 だから、 あなたも私をきらいになってもいいです。 お互いさまですから。 私はあなたを傷つけません。 だから、 あなたも私を傷つけないでください。 私はあなたの悪口を言いふらしません。 だから…

愛のなくなる瞬間

『愛のなくなる瞬間』 それは本当に一瞬で 失くさないように… なんて考える暇もなかった 空から落ちてきた隕石を見て あれはなんだろう? なんて思ったときにはもう見失っている そしてもう思い出せない どうやってその人を愛していたのか どうしてその人を…

すべり落ちるとき

『すべり落ちるとき』 恋に落ちる感覚は 幼いころのすべり台に似ている。 滑り落ちるギリギリ手前で すべろうか、どうしようか、 と悩む感覚も、 落ちてる間は夢中で わー!きゃー! と感じた瞬間に着地しているのも、 完全に滑り落ちて なるほど。 とお腹に…

2人しかいない場所

『2人しかいない場所』 ふたり。 2人しかいない。 山の上の大きな石の上。 夜空と月だけを写した海と2人しかいない。 何も話さない2人の間に流れる虫の音。 チンチロチンチロ リンリンリン キリキリ ガチャガチャ チョンチョンチョン 頭の中が文字で溢れ始め…

俺を語るな

『俺を語るな』 俺のことを素直で優しくて真面目だと言う奴は俺のことを語るな。 俺を素直で優しくて真面目な人間でいさせようとするな。 俺の内にあるこの獰猛な感情だって本当の俺なんだ。 だからお前は俺のことを語るな。

あたしだけのあたし

『あたしだけのあたし』 手をつないでも キスをしても 抱きしめあっても あたしはあたし あたしのもの ただのお友達でも 付き合っても 結婚しても あたしはあたし あたしだけのあたし それが常識でしょ。 なのにどうして “俺のもの” とか言うかなぁ キョウザ…

まぁいいか

『まぁいいか』 今日、 僕は「まぁいいか。」と受け流した。 あの瞬間、 確かに別に拘る必要はないと、 他愛もないことだと感じたのに、 なぜかいま、 僕の中の赤血球のひとつひとつが、 着信を受けたかのように震えている。 だからといって僕には、 今さら…

恋の寿命

『恋の寿命』 恋の寿命って3年らしいよ なんとかってホルモンが 落ち着いて飽きてきちゃうんだって 「3年目の浮気」って そういうことなんだって 恋の寿命って3年なんだって 3年の間に愛に変えるか 同じ人にまた恋するか そうやって紡がないと ずっと一緒に…

正しいひとを愛したい

『正しいひとを愛したい』 正しいひとを愛したい。 あなたじゃなくて。 優しくて、働きもので、 面倒見が良くて、 穏やかで、清潔感があって、 少し背の高い、 そんなひとを愛したい。 それなのにどうして、 あなたが気になるのだろう。 私は正しいひとを愛…