よかったら詩、読んでくれたら嬉しいです。

詩を書いて生きていたい。 文章はたくさん書くと上手くなると聞きました。詩も同じなのでしょうか?

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

もちろん[詩]

『もちろん』 もういちど、雨は降りますか もちろん降るでしょう そのために風は吹くのですから そのために雲は流れるのですから 太陽を浴びられず悲しそうな花も 雨には雨の喜びがあると知っています もういちど、雨は止みますか もちろん止むでしょう その…

イイワケ[詩]

『イイワケ』 「そんなのただの言い訳じゃん。」 そうだよ、言い訳だよ、タダノイイワケ。 たいしたことのない安っぽい言葉で、 なんとか形を保っている、 たった、それっぽっちの、私。 そんなに昂らせて、あなたは私に何を見たいのか。 他人が思い通りに動…

川面を渡る[詩]

『川面を渡る』 現実は真摯に歳を重ね、 社会は更なる成熟を求め、 それらとは裏腹に僕は前進を拒んだ。 「このままで。」と言った僕に絶望して、 水面でうねる銀色のひとつひとつが叫んでいる。 慰められているのか、拒まれているのか。 水の中であろうと外…

そうしたいんだけどね[詩]

『そうしたいんだけどね』 近しい未来と遠くの未来 ご利用は計画的に 毎日毎日同じおはなし 先を見据えよ 老後を見据えよ そうやって生きて死にたくなる人 いまは、明日を見据えて眠るべきとき できないんだから死ななくていいよ 他人のリズムで生きられるい…

潤ったなら[詩]

『潤ったなら』 五月の風がやわらかいのは、 つまり、湿度なのだろう。 運命だなんて不確かなものを 本気で信じたりはしない。 それくらい大人になってしまったけれど、 ふと「これは運命かも。」と思ったとき、 妙にココロが腑に落ちたというか。 「それで…

じっくりことこと [詩]

『じっくりことこと』 じっくりと味わいましょう。 子を育てる母のように ノンナの作るスープのように 魔法使いの秘薬のように じっくりと時間をかけたなら そこには愛が生まれます。 だれかを好きになったなら じっくりと愛しましょう。 かつてあなたが愛さ…

うさぎちゃん [詩]

『うさぎちゃん』 うさぎに生える毛を剃り落とすのは きっと許されないだろう だけどなぜか わたしの表面の毛は 生えることを許されない なんかごめんね。 うさぎだったら痛いよね。 人間だけど痛いもんね。 だれがコレを身嗜みと言い始めたのか でも、しか…

ここはボクがいないはずの場所 [詩]

『ここはボクがいないはずの場所』 これは、たぶん、いいものだ。 これは、たぶん、いいものだ。 あとでじっくり味わおう。 あとでじっくり味わおう。 そう言って食べなかった菓子 そう言って読まなかった本 そう言って進まなかった夢 期限が切れました。 ゴ…

悲しみと真珠 [詩]

『悲しみと真珠』 ある夜、だれかが悲しみを捨てました。 抱えきれなくなった悲しみを海に解き放ちました。 それは海とは混ざることなく 雪のようにゆっくりと沈んでゆき、 海の底で貝に宿りました。 人の悲しみを宿した貝が真珠を持つことができるのです。 …

春の雲 [詩]

『春の雲』 消せなかった思い出が今日も空に浮かんでいます。 だれか、私のやさしくない部分を愛してください。 やさしいところは私が愛せるので、 私の愛せない部分を愛してください。 やわらかな春の風のような潤いを どうかわたしに与えてください。 けれ…

おまもり [詩]

『おまもり』 わたしがあなたを守りましょう。 怖いものから守りましょう。 弱い自分から守りましょう。 はじめの一歩を踏み出せるように、 背中にそっと手を添えましょう。 大丈夫。 これまでの道のりだって、 わたしは手を添えただけ、 ここまで来たのはあ…

今宵 [詩]

『今宵』 「月が綺麗ですね。」 そう聞こえたはずなのに、 私のことなんて誰も見ていない。 あ、ほら。また。 ささやかだけれど、 声に出すほどの確かな感嘆は、 私のものにはならないらしい。 照らした先にはいくつかの 微笑み合う2つの命。 暖かな空気が少…

憧憬の先へ [詩]

『憧憬の先へ』 あの子は行った 私が憧れていた地へ 知らなかった あの子も憧れていたなんて いや、ただの付き合いかも。 聞けない ただ聞いてみればいいのに聞けない 羨ましいが邪魔をする 落ち着け、私。 欲しても手にできない私と 欲することなく手にする…

ソウイウコト [詩]

『ソウイウコト』 これは悲しみです。 悲しみの中でもとても純度の高いものです。 さて、どうしましょうか。 泣きたいですか? 泣きたくありませんか、大丈夫です。 涙とは目からこぼれ落ちる水。 こぼれ落ちるまでは涙とは言いません。 まだ泣いていません…

二日目の月 [詩]

『二日目の月』 新月が明けた 細い 細い 三日月をみて 殺せるな、と思った 虚ろに照らされた道で 立ち尽くす僕に 愛をささやく人は ついに現れなかった それでも月の光は いつもと変わらない優しさを たっぷりと浴びさせる はじまるよ、と誰かが言って ひん…