よかったら詩、読んでくれたら嬉しいです。

詩を書いて生きていたい。 文章はたくさん書くと上手くなると聞きました。詩も同じなのでしょうか?

繰り返しもいいけれど

 

『繰り返しもいいけれど』

 


かんがえて

かんがえて

かんがえて

今日がきた。

考えてばかりいる間に、

陽は何度も暮れた。

かんがえて

かんがえて

かんがえて

30過ぎそう。

考えてばかりいて、

他には何をしたのだろう。

わからない

わからない

わからない

そうだ、何かをしよう。

自分の外側が膨らむように、

考えずに、何かを。

 

 

 

夜はあれから

 

『夜はあれから』

 


夜は

夜はあれから

またわたしを刺そうと

虎視眈々と狙っている

暗闇の中で闘志を燃やし

その熱で光らせた目が

燈のように揺らめき

こちらに向かって手を伸ばす

わたしとの狭間に取り残された黒が

1ミリまた1ミリと削られてゆき

ついにこの肌に直接のめり込もうとしている

目が

重たく光る君の目が

威圧的にこちらを見ているけれど

それがどうした

わたしが君を恐れるとでも思ったか

 

 

 

空はいつでも

 

『空はいつでも』

 


ほんのりと暖かな色の夜明けです。


どこまでも遠くへ行けそうなほど晴れています。


雲の向こうはどんな景色が広がっているのでしょう、

わくわくしてしまう曇りです。


人の疲れを、哀しみを、洗い流すような雨が降りました。


太陽が己の赤さを最大化して、「忘れないで」と願う夕焼けです。


月が静かな夜とうるさい社会をやさしくやさしく抱いて微笑んでいます。


空はいつでも私たちを愛しています。

 

 

 

“善”か“悪”か

 

『“善”か“悪”か』

 


「優しいね」と言われると

わたしの中で切り離された

優しくないわたしが悲鳴をあげた


「かわいいね」と言われると 

わたしの中で切り離された

かわいくないわたしが虚空を見つめた


「善い子だね」と言われると

わたしの中で切り離された

いじ悪いわたしが暗闇で膝を抱えた


「積極的だよね」と言われると

わたしの中で切り離された

いつも不安なわたしが押し潰された


「笑顔がすてき」と言われると

わたしの中で切り離された

笑いたくないわたしが作り笑いを始めた


そうして選ばれない方のわたしが消えて

本当のわたしが半分になりました


“善”か“悪”か

“美”か“醜”か

“敵”か“味方”か

“白”か“黒”か


なんでも分けてしまう社会だから

いつの間にか半分の力しか出なくなって

今日も薄っすらと溺れています

 

 

 

清々しい

 

『清々しい』

 


よく晴れた朝に小鳥がさえずることを

人は“清々しい”と言う

よく晴れた朝に小鳥がさえずろうとも

“清々しい”と思わないことを

人はきっと“忙しい”と言う


いつもいい気分でいたいけど

そうできないこともあるよね


それでも小鳥は鳴いて

それでも人は頑張る

 

 

 

雨を知らない月

 

『雨を知らない月』

 


ぼくたちで見上げた空に

浮かぶ月と 流れる雲と

夜風に乗って冷めた温度が

眠たいぼくと眠れない君をとり囲む


雨が降ると悲しくなるから

いつも笑っていてほしい

なんて 雨を知らない月に

どうしたら伝わるのだろう


同じ風ばかりの単調な夜に

戸惑う僕は戸惑うばかりで

揺れる瞳から溢れないように

揺らさないように抱きしめた


朝が来たなら口を結んで

大丈夫な人として生きてゆく

だからそれまで もう少しこのまま

雨を知らない月と 涙を知りたくない君と