『わたしじゃないや。』
あなたの中に居るんだね、わたし。
あぁ、でも、胸じゃないや、頭の中だ。
そっか、頭の中か。
あなたはわたしを愛していると言うけれど、
それ、わたしじゃないや。
わたしよりももっと女の子らしくて、
もっと優しくて、
もっと面倒見が良くて、
もっとセクシーで、
もっと働き者で、
もっと愛情深くて、
わたしよりももっと可愛げのある人。
わたしに似ているみたいだけど、わたしじゃないや。
あなたの中に居るのは、
わたしの形をした、
わたしよりも素敵な人。
そうだね、その人、かわいいね。
それじゃあ、あなたはその人と付き合うといいよ、頭の中で。
もう、わたしを愛してるなんて思わないでね。
それ、わたしじゃないから。