よかったら詩、読んでくれたら嬉しいです。

詩を書いて生きていたい。 文章はたくさん書くと上手くなると聞きました。詩も同じなのでしょうか?

わたしの細胞

 

『わたしの細胞』

 


お母さんとお父さんが

大事に育てたわたし


おじいちゃんとおばあちゃんの

大切な愛おしいわたし


ひいおばちゃんと

ひいひいおじいちゃんと

ひいひいひいおばあちゃんと

ずっとずっと昔から大切にされてきた誰かの

そのまた大切にされてきた誰かの

思いと願いが脈々と連なり

わたしの細胞となってここにある


そんなわたしを傷つけようとするなんて


この細胞を見よ。

 

 

 

とある物語りのはじまり

 

『とある物語りのはじまり』

 


やさしい太陽と、

やさしい音と、

やさしいごはんと、

やさしい水と、

やさしい道と、

やさしい風と、

やさしい緑と、

やさしい地球と、

やさしい海と、

やさしい空気と、

やさしい言葉と、

やさしい誰かと、

やさしいあなたと。

 

 

 

じゃあね

 

『じゃあね』

 


差し出された愛は当然。

差し出す愛も当然。


愛されたければ愛さねばならならい。

愛されれば愛さねばならない。


こんなに色々してあげた。

だから、次は君の番だ。


これまでこんなに愛してあげた。

だから、次は君の番だ。


愛したのだから愛されなければ。

そんな交換条件で成り立つ関係。


それを“愛”だなんて、大げさですよ。

お返しする愛なんてもうありませんよ。


過去に感じた愛は、

過去の私が味わい尽くしました。

今の私には、今の愛を。

無ければそれでいいの。

じゃあね。

 

 

 

イト

 

『イト』

 


太陽が沈むと電気をつけるみたいに

寂しくなったときには

赤い糸に頼りたくなる

けれどこの糸を手繰り寄せても

その先端にはだれもいない

「まだいない」なのか

「もういない」なのか

とにかく「今はいない」

寂しさに覆われる度に

運命に出会おうと期待しては

誰とも繋がれない自分という

寂しい自分よりも可哀想な自分を見つけて

少し安堵してしまう不思議

この糸の先を誰かに結びつけたいのだけれど

そんな強引はいいのだろうか

いや よくない気がするので

いっそ遠くへ投げて

釣りでもするみたいに少し揺らしておきます

誰かと繋がりたい人の合図として

 

 

 

あなたは私がきらいですか?

 

『あなたは私がきらいですか?』

 


私はあなたがきらいです。

だから、

あなたも私をきらいになってもいいです。

お互いさまですから。


私はあなたを傷つけません。

だから、

あなたも私を傷つけないでください。


私はあなたの悪口を言いふらしません。

だから、

あなたも私の悪口を言いふらさないでください。


私はあなたと程よい距離で付き合います。

だから、

あなたも私と程よい距離で付き合ってください。


あなたは私がきらいですか?


それでいいのです。

お互いさまですから。


私はあなたを幸せにはできませんが、

あなたがどこかで幸せであることを祈っています。

 

 

 

愛のなくなる瞬間

 

『愛のなくなる瞬間』

 


それは本当に一瞬で

失くさないように…

なんて考える暇もなかった


空から落ちてきた隕石を見て

あれはなんだろう?

なんて思ったときにはもう見失っている


そしてもう思い出せない

どうやってその人を愛していたのか

どうしてその人を愛したのか


窓からやわらかな風が吹き込んで

「あぁ、春だなぁ。」と思っても

二人で共有する幸せはもう生まれない


本当はとっくに知っていた気がする

話しかけると嬉しそうにするその人にとって

わたしの声はただの音でしかなかったことを


本当に一瞬だった

僅かにバランスを崩した小さな塊が

お腹の底まで落下して 爆発した


そしてその瞬間

白く清らかな感覚がわたしの全身を駆け巡り

気がつくと 隅々まで洗い流されたあとだった

 

 

 

すべり落ちるとき

 

『すべり落ちるとき』

 


恋に落ちる感覚は

幼いころのすべり台に似ている。


滑り落ちるギリギリ手前で

すべろうか、どうしようか、

と悩む感覚も、


落ちてる間は夢中で

わー!きゃー!

と感じた瞬間に着地しているのも、


完全に滑り落ちて

なるほど。

とお腹にストンと落ちる感覚も。


好きな人と手をつないだなら

どこにでも飛び込める覚悟が

簡単に生まれてしまうところも。


さて、

ひとおもいにすべりま