よかったら詩、読んでくれたら嬉しいです。

詩を書いて生きていたい。 文章はたくさん書くと上手くなると聞きました。詩も同じなのでしょうか?

ある生徒の頃

 

『ある生徒の頃』

 


中学の頃の夢を見た

図書室で何気なく過ごした日々が

教室で何気なく交わした言葉が

今さらに語りかけてきた


なんとなく終わっていった

あの些細な日々を 言葉を

幸せと呼んでもいいのだと

今になって解った


消えてしまえと思っていた

いつも少ししんどくて

いつもどこか不安定で

楽しそうな人が羨ましかった


求められたあるべき姿は

全然心に馴染まなくて

けれど 揺るぎない自我もなくて

時計の針が早く進むことばかり願っていた


ふつうに馴染めない自分の自信は削がれて

ふつうの型に一生懸命収められていた

辛さも良いものとして強制され

生きていることが窮屈で仕方がなかった


けれど

あの頃のちっぽけな自分にも

穏やかで柔らかな瞬間が

自分として過ごせた瞬間があった


あぁ ほんとうによかった