『ある』
ここにはある。
どう説明すればいいのか分からないけど、
僕の中に確かにある。
霞を煮詰めた何かのようで、
形ははっきりしないし、
この手で掴める気もしないけれど、
それでも明らかに何かがある。
これまでの“無い”とは全然違うんだ。
分からないから不安だと、
進めずにいた自分が、
分からないからから自由だ、
なんて考えている。
あぁ、きっとこれが本当の僕だ。
いま、僕の中に確かにある。
ぼやけているのに強く光る何かが。
曖昧なくせに、
「それさえ魅力でしょう?」と笑っている。
そうだ、僕も僕のままで笑ってもいいんだ。