『揺れる季節』
隣同士 いつものベンチ
君と僕とが同時に笑った
笑った声と同じリズムで
僕の鼓動が確かに跳ねる
太陽を纏い若葉は揺れる
頭の中に浮かんだ言葉が急に消えて
その場しのぎの「まぶしいね」が口を衝く
僕が本当に伝えたかったのは
「楽しいね」 そんなニュアンス
そのままでは恥ずかしくて言えなかったけど
君のとなり 木陰のベンチ
見える景色はいつもと同じ
同じ角度でなびいた髪が
頬を掠めて愛おしいを知った
太陽を纏った若葉が光る
2人で話す言葉たちが静かに笑って
なんだか少しくすぐったくなった
僕が本当に話したかったのは
「好きだよ」 そんなニュアンス
そのままでは恥ずかしくて言えないけれど
大切なことだと気づいているのに
伝えないまま 時間だけが過ぎる
もう少し もう少しだけ待っていて