『やさしい雨』
隣を見てももう
あなたはいない
そんな日々を歩む
これでよかった
傷つくことも
傷付けることも恐れ
浅く笑うふたり 時を積むだけ
いつからだろうか
完璧なわたしになろうとしていた
あなたの望むわたしに
あなたといると
わたしの世界はいつも雨
しとしとと穏やかな
恵みの雨かのように
優しいふりして染み渡る
強くはないから
傷付かないんだと
言い聞かせた日々
もうなくていい
小さな傷も
傷なんだから
ちゃんと手を当ててみるの 大事に
あなたが言ってた
完璧なわたしはわたしじゃない
もう何も望まないで
あなたといると
わたしの世界はいつも雨
しとしとと優しく降って
激しい雨じゃないからといって
わたしを潤すふりして
痛く冷たく沁みてゆく
あなたが降らせる
やさしいつもりの雨
降り止め 過ぎ去れ もう終わろう
あなたがいない
わたしの世界の今日は晴れ
ほら 陽気なお日さま
風に揺れてる花々
わたしも笑える あたたかく
