『静けさの中で』
時計の針は峠を超えて
1日を終わらせ 1日を始める
月は静かで あなたも静かで
どこか頼りないこの世界
ふたりで一緒に隠した不安は
そのまま沈めて忘れてしまおう
現実を生きる
そんな強さはないけれど
乗り越えた分だけ
涙を流せばいいんだよ
雪が降りる音さえ聞こえる
静かで悲しい夜だから
そっとあなたを抱きとめる
大丈夫
わたしの声に耳を澄ませて
雪の音なんていいから
愛されようとしなくていいから
ただわたしの隣にいて
終わって始まる世界のどこかで
だれかが喜び だれかが嘆く
静かに流れる時間の隣で
静かに散った 景色が散った
ふたりで隠した不安と一緒に
夢も隠して忘れて笑おう
夢を抱けば
淡い期待ばかりが積もって
過ぎてゆくだけ
何にもならなくていいんだよ
雪が溶ける音さえ聞こえる
静かで寂しい夜だから
そっとあなたをあたためる
大丈夫
わたしの声に耳を澄ませて
雪の音なんていいから
すぐに忘れてしまっていいから
今はわたしの隣にいて
夢ばかりではいられないけど
夢がないなら生きたくないね
わたしとあなた
ふたりの時間は重なり合って溶けてった
大丈夫
私の声だけに耳を澄ませて
雪の音なんていいから
愛そうとなんてしなくていいから
ただわたしの隣にいて
きっと今はそれだけでいい