『バカ』
“煙とバカは高いところが好き”
それならわたしはバカでいい
賢いからできなくなることと
バカだからできることは
ちょうどおんなじ数になる
東京タワーから街を眺める
東京にいるという事実が
感慨を訴えてくるけれど
ひとつ季節が過ぎたら
これが日常となるのです
「バカは嫌い」って言う誰か
それならわたしを嫌いでいい
誰かに好かれたところで
わたしがわたしを嫌いなら
そんなわたしに価値はない
誰からも好かれようだなんて
思うならここには来なかった
煙がゆったりと昇るように
わたしの日々も悠然と
生きられたなら素敵
「わたしはわたしが好き」
それは好かれるよりも
きっとずっと幸せ