『弱さであれ』
朝が来ると、泳ぎ方が分からなくなる。
ついさっきまでのあんなに楽しかった気持ちが消え失せ、私の身体だけが漂う。
もがくことさえ許されず、ただお行儀の良い姿勢で息を吸って、そして吐く。
自由というのは私ではない誰かの特権で、私の中には入っていない。
あまりの眩しさに目を開けることを拒んだ私は、生きることを許されて喜ぶ浅はかさに密かに呆れながら、嘆くこともなく、自分で生み出した朧げな夜に浸る。
何もしないのはいけないことか?どうせ想定外には冷たいくせに。
全ての人間の形を知っているかのように振る舞えるあなたが羨ましい。
それは強さなのか、それとも弱さなのか。
弱さであることを強く願いながら、また息を吸い、そして、吐く。